上映設備のプレミアム化が定着した昨今、劇場フォーマットに応じた映画館の座席選びのコツを押さえることが鑑賞の質を劇的に左右します。通常のシネマコンプレックスとハイエンドシアターでは、スクリーンのアスペクト比や湾曲率、サラウンドスピーカーの配置思想が根本から異なるためです。
IMAXシアターにおけるおすすめ座席
床から天井、左右の壁いっぱいに広がるIMAXスクリーンでは、通常の劇場の感覚で中央列を選ぶと視界が映像で完全に埋め尽くされ、画面の隅で何が起きているか把握しきれなくなります。IMAXのおすすめ座席は、「全体の7割から8割ほど後方の列」です。IMAXの特長である「視野を覆う圧倒的スケール」を体感するには、水平視野角が40度前後となる後方ブロックの前寄りが黄金ポジションとなります。特に字幕作品の場合、視線を上下左右に激しく走らせる必要がなくなるため、没入感を保ちながら文字情報をスムーズにインプットできます。
ドルビーシネマ(Dolby Cinema)におけるおすすめ座席
究極の黒を表現するドルビービジョンと、オブジェクトベースの立体音響システムであるドルビーアトモスを融合させたドルビーシネマ。この空間におけるドルビーシネマのおすすめ席は、「劇場の真ん中より2列後方、かつ左右中央の席」です。ドルビーシネマは天井を含めた空間全体に多数の独立したスピーカーが設置されており、頭上を縦横無尽に移動するサウンドの軌道を正確に知覚できるスイートスポットが中央やや後方に精密調整されています。左右にずれすぎると頭上スピーカーの定位感が偏るため、可能な限りセンターライン上の座席を確保するのが理想的です。