数々の名勝負が生まれた第3シリーズの中でも、ファンの間で「神回」として語り継がれる3つのエピソードを深掘りします。
まずは第9話の福山雅治演じる科学者・堀井岳人。事故で下半身不随となり車椅子生活を送る堀井は、元恋人を奪った友人を周到なトリックで爆殺します。カセットテープの録音や日照時間の計算など、物理法則と論理を完璧に組み立てた堀井に対し、古畑は「ある些細な行動の矛盾」から綻びを見つけ出します。冷徹な知性派犯人と古畑の静かなプライドが激突する心理戦は圧巻です。
続いて第8話、玉置浩二が心臓外科医・辻修を演じた「雲の中の死」。ジャンボジェット機の機内という逃げ場のない空間で、不倫相手の女性を毒殺した辻。偶然乗り合わせていた古畑は、限られた状況証拠と辻のわずかな反応から真実を暴いていきます。玉置浩二の飄々としつつも次第に追い詰められていく怪演が、密室劇のサスペンスを極限まで高めました。
そして最終回前後編の江口洋介演じる日下光司。電車ジャックという大規模犯罪を仕掛ける日下に対し、古畑は孤立無援の状況下で交渉を続けます。単なるトリック暴きにとどまらず、犯人の真の目的やサバイバルゲームを通じた緊迫感あふれる心理戦が描かれ、連続ドラマのクライマックスにふさわしいスケール感で幕を閉じました。