単なる認知のいたずらとして片付けず、世界各国の神経科学者や心理生理学者がこの現象のバックデータ収集に乗り出しました。特にニューヨーク大学の神経科学者パスカル・ウォリッシュ(Pascal Wallisch)博士のチームが行った1万人規模の大規模追試調査では、白金青黒ドレスの見え方が違う理由に関して極めて興味深い科学的根拠が提示されています。
ウォリッシュ氏の統計分析によると、回答者の年代や睡眠リズム、日光を浴びるライフスタイルが、どちらの色に見えるかの確率にダイレクトに相関していました。具体的には、朝早く起きて日中の自然光(短波長の青空光)を浴びる時間が多い「朝型人間」は、未知の環境光を直感的に「日陰・自然光」と推定しやすく、白金と回答する割合が有意に高くなりました。一方で、日没後に蛍光灯やLEDなどの人工光(長波長成分を多く含む光)の下で過ごす時間が長い「夜型人間」は、人工照明を基準に推定するため青黒と回答する傾向が顕著に出たのです。
以下の比較表は、当時の騒動およびその後の脳科学・視覚心理学研究によって明らかになった諸データを体系的に整理したものです。