Q1:映画『夢』が「トラウマ映画」「怖い」と言われる最大の理由は何ですか?
A1:幽霊や怪物のグロテスクさではなく、「掟を破った子どもへの冷淡な処罰(日照り雨)」や「突然日常が崩壊して海へ飛び込む群衆(赤富士)」など、日常のすぐ隣にある抗えない理不尽さや死の気配を、圧倒的な映像美で淡々と見せつけられる精神的圧迫感に起因しています。
Q2:「赤富士」で描かれた原発事故は、本当に福島第一原発事故を予言していたのですか?
A2:超常現象としての予言ではなく、当時から専門家や反原発運動家が指摘していた「地震大国・日本における原子力災害の危険性」に黒澤監督が深く着目し、警鐘を鳴らしていた結果です。安全神話を盲信する社会への批評が、2011年の事態と酷似していたため「驚異の予言」として再認識されました。
Q3:第5話「鴉」でゴッホ役を演じているのは誰ですか?なぜ英語を話しているのですか?
A3:『タクシードライバー』や『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』などで知られるアメリカの巨匠マーティン・スコセッシ監督です。スコセッシが黒澤監督を深く尊敬していたことから出演が実現しました。ゴッホ本来の母国語(オランダ語・フランス語)ではなく英語を激しくまくしたてる演出も、夢の中特有の奇妙なリアリティを醸し出す効果を生んでいます。