箭弓稲荷神社ぼたん園の大きな魅力は、これほど充実した花の名所でありながら入園料が無料(境内自由)で鑑賞できる点にあります。大正12年(1923年)、東武東上線の坂戸町駅(現・坂戸駅)〜東松山駅間の延伸開通を記念し、東武鉄道初代社長の根津嘉一郎氏から牡丹の苗が奉納されたのが始まりとされています。
現在では約3,500平方メートルの敷地に、約1,300株以上の牡丹が植栽されており、「島錦」「黄冠」「八千代椿」など赤・白・ピンク・黄・紫といった多彩な品種が美しさを競い合います。
牡丹とほぼ同時期に境内を彩るのが、樹齢数百年とも伝えられる見事な藤棚(延命の藤)と、色鮮やかなツツジです。紫色の長い花房を垂らす藤棚の下をくぐると甘い香りが漂い、足元を彩る牡丹と頭上に広がる藤のグラデーションは、息をのむほどの美しさを誇ります。