ネット上で特に取り沙汰されるのが、荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』および久保帯人氏の『BLEACH』との類似点です。この2作品との対比は、表現の盗用なのか、それとも文化的敬意を込めた作風の継承なのか、その境界線を見極める上で格好の検証材料となります。
まず、鬼滅の刃 ジョジョ 呼吸 比較において指摘される最大の要素は、特殊な肺呼吸によって血液に力を与え、身体能力を飛躍的に高めて異形の存在と戦う「全集中の呼吸」と、ジョジョ第1部・第2部に登場する「波紋の呼吸」の構図的一致です。「鬼」と「吸血鬼」という弱点を日光(太陽光)に持つ不死身の怪物を相手に、特殊な呼吸法を身につけた人間が立ち向かうという基本プロットは、確かに共通の骨格を持っています。
一方、鬼滅の刃 BLEACH 似てるという指摘に関しては、特別な刀を手に戦う特殊部隊「鬼殺隊」と「護廷十三隊」の構造的類似、最高戦力である「柱」と「隊長」の存在、さらには刀の鍔(つば)のデザインや個別の戦闘スタイルにキャラクターの個性を反映させる演出手法が挙げられます。
しかし、決定的な事実として見落としてはならないのは、原作者である吾峠呼世晴 影響を受けた作品として、公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』や週刊少年ジャンプの巻末コメント、各誌のインタビューにおいて、自ら敬愛する先達として両作の名を挙げている点です。吾峠氏は『ジョジョの奇妙な冒険』や『BLEACH』、『NARUTO -ナルト-』を少年時代から愛読し、深いリスペクトを抱いていることを公の場で明言しています。
無断でこっそりとエッセンスを抜き取る「剽窃(パクリ)」と、敬意を前提に様式美を受け継ぎ新たな物語として再構築する「鬼滅の刃 オマージュ リスペクト」の間には、明確なクリエイティブの一線が存在します。鬼滅の刃は、大正時代という舞台設定や、残酷な宿命を背負った家族愛・兄弟愛という独自の感情軸を導入することで、先達の遺伝子を受け継ぎつつも、独立した完全なオリジナルストーリーを構築しています。