突然声が出ない機能性発声障害の正体と治し方|音声外来の現場から

突然声が出ない機能性発声障害の正体と治し方|音声外来の現場から

突然声が出ない機能性発声障害の正体と治し方|音声外来の現場からの要点を詳しく解説してご紹介します。

一般的な声枯れは、声帯ポリープや声帯結節、急性喉頭炎といった「声帯そのものの物理的な損傷や炎症(器質的病変)」によって生じます。これに対し、機能性発声障害は声帯の形や組織には何ひとつ異常がないにもかかわらず、「声帯を動かす筋肉や神経の協調運動」が破綻することで声が出なくなる疾患です。

臨床現場において最も頻繁に見られるのが、声を出す際に首周りや仮声帯(声帯の上部にある組織)に過剰な力が加わる過緊張性発声です。本来、発声は肺からの呼気圧と声帯のしなやかな振動が調和することで成立しますが、無意識に筋肉を固めてしまうことで声帯が正常に合わさらなくなります。発症の背景には、慢性的な過労や環境変化によるストレス、風邪を引いた後に無理をして声を出し続けた記憶の固定化などが存在します。

「声を出そうとすればするほど喉が詰まる」という悪循環は、脳の運動制御と自律神経系がストレス反応によって過敏化し、発声器官に防御的な筋緊張を強いるために起こります。決して本人の甘えや気のせいではなく、身体の運動プログラムが一時的にバグを起こした状態と捉えるのが医学的な共通認識です。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。