転機が訪れたのは2019年8月。逮捕からちょうど3年が経過したタイミングで、舞台『さよなら西湖クン』(作・演出:和田憲明)のオーディションに合格し、主演として舞台復帰を果たすことが発表されました。小劇場を中心とした再始動であり、芸能事務所に所属しないフリーランスとしての再出発でした。
劇場ロビーには母・高畑淳子からの花も飾られ、チケットは即日完売。観劇した演劇評論家や観客からは、空白期間を経て蓄積された感情の厚みや、身体性を活かした圧倒的な演技力が高く評価されました。その後、彼は劇団「ハイバイ」の主宰・岩井秀人による企画や、気鋭のクリエイターが手掛ける自主企画公演に相次いで出演を重ねていきます。
さらに活躍の場は演劇だけにとどまりません。2021年以降はインディペンデント系の短編映画や自主制作映画にも積極的に参加し、映画出演のキャリアも再開させています。裏方として照明や大道具、演出助手を務めるなど、表現の現場に骨を埋める覚悟を行動で示してきました。
2026年現在の高畑裕太は、地上波の大手キー局が制作するプライム帯ドラマや大型バラエティ番組には出演していないものの、小劇場界およびミニシアター系映画における実力派俳優としてのポジションを完全に確立しています。SNSでの個人的な発信も抑制し、虚飾を排して舞台とスクリーンに真摯に向き合うその姿勢は、カルチャーシーンにおいて独自の信頼を取り戻しつつあります。