すべての始まりは、1999年に『週刊ヤングサンデー』(小学館)でスタートした連載だった。原案を手掛けた小森陽一と、作画を担当した佐藤秀峰のタッグによって生み出されたこの作品は、当時の青年漫画界に鮮烈な衝撃を与えた。
それまでの海を舞台にした作品といえば、冒険ロマンやスポーツ要素が強いものが主流だった。しかし本作は、海上保安庁への徹底的な現場取材を重ねることで、レスキューの過酷な現実と潜水士たちの揺れ動く感情を泥臭く描写した。命を救う英雄ではなく、任務と日常の間で葛藤する普通の若者として主人公・仙崎大輔を描いた点が、従来の救助漫画と一線を画していたのだ。
妥協のない画力と緊迫感あふれるストーリー展開は読者の心を強く掴み、単行本の巻数を重ねるごとに熱狂的なファンを増やしていった。小学館の発行する看板誌において、命の重みと組織の壁に挑む名作として確固たる地位を築き上げたのである。