日本の学校生活にあまりにも溶け込んでいるため、「世界各国の学校でも同じようにウェストミンスターの鐘が鳴っている」と信じている人は少なくありません。しかし、これは代表的なインターネット上の誤解です。
発祥地であるイギリスやアメリカをはじめとする欧米諸国の学校では、授業の合図に「ブザー音」や短いビープ音、あるいはチャイム自体を鳴らさずに教師の裁量で授業を終えるスタイルが一般的です。ウェストミンスターの鐘を学校の授業開始・終了の標準合図として国全体で共有しているのは、日本と、日本統治期や戦後の影響を受けた一部のアジア地域に限られた非常にユニークな文化現象です。
また、「文部省(現・文部科学省)が学習指導要領などで一斉に義務付けた」という噂も事実ではありません。大森第四中学校での成功事例が全国の校長会や教育委員会、そしてTOAの営業ネットワークを通じて口コミで広がり、「生徒が落ち着く素晴らしい音響設備」として各自治体・学校が主体的に採用していった結果、わずか10〜15年足らずで全国を席巻したのです。