『天才てれびくんYOU』が過去シリーズと比較しても際立っていたのは、漢字の精霊「もじもん」という卓越した世界観設定と、テレビリモコンのデータ放送をフル活用したリアルタイム双方向性でした。
番組内に登場したもじもんは、筆の「ふでじい」をはじめ、肉の「にくそん」、腐の「ふてくさーる」、遊の「あそびっくりん」、火の「ほのからす」など、日常にある漢字の成り立ちや意味を巧みにキャラクター化したもので、その総数は50体以上に及びます。子どもたちは毎週のミッションを通じて自然と漢字の部首や筆順、語源を学び取っていきました。
そして毎週木曜日の生放送バトルこそが、この番組の真骨頂でした。全国の視聴者が「茶の間戦士」となり、テレビのリモコンボタンを連打して守守団にパワーを送るシステムは、当時のネットワーク同時接続数としても驚異的な数値を記録しています。
SNS上では放送時間になると「茶の間戦士出動!」「リモコンの決定ボタンが壊れるほど叩いた」といった実況ポストが毎週のようにトレンド入りしました。ただ受動的に画面を眺めるのではなく、「自分の一押しが番組内の結末を左右する」という当事者意識をテレビ画面を通じて全国の子どもたちに植え付けた功績は、現代のインタラクティブ放送の教科書的事例として語り継がれています。