2021年に世に送り出された新番組ドラマのなかで、視聴者の心を最も激しく揺さぶり、現在も名作として支持され続けている作品には明確な共通点があります。それは、単なる娯楽にとどまらず、人間の暗部や家族の絆、自己犠牲の本質を容赦なくえぐり出した点です。
TBS系日曜劇場で高視聴率を叩き出した『天国と地獄 〜サイコな2人〜』は、綾瀬はるかと高橋一生の魂が入れ替わるという一見クラシカルな設定を採りながら、天国と地獄高視聴率の理由となったのは緻密なプロットと両名の怪演でした。脚本を手掛けた森下佳子は、連続殺人鬼の肉体に入り込んだ女性刑事の葛藤と、女刑事の肉体を得た殺人鬼の冷徹さを残酷なまでに美しく描き出しました。第1話の世帯視聴率16.8%からスタートし、最終回では20.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という大台を突破。リアルタイムでの実況ツイートが毎週国内トレンドを独占した現象は、視聴者が「日曜夜の体験」を共有したいという強烈な飢餓感の表れでした。
一方で、金曜ドラマ枠で放送された『最愛』は、サスペンスと純愛のハイブリッドとして年間最大のインパクトを残しました。主演の吉高由里子、相手役の松下洸平、そして事件の鍵を握る弁護士役の井浦新が織りなす関係性は、視聴者を深い考察の渦へと巻き込みました。2021年名作ドラマおすすめランキングを制作会社関係者やテレビ批評家にアンケート調査しても、本作は必ず最上位に挙がります。世帯視聴率こそ平均8.9%前後にとどまったものの、TVerの見逃し配信では当時の歴代最高再生数を塗り替え、民放の評価基準そのものを揺るがす金字塔となりました。