アクターズスクール広島(ASH)で培った卓越した歌唱力とダンススキルを武器に、2011年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格した中元日芽香。ツインテールをトレードマークに、「ひめたんびーむ」という必殺技でバラエティ番組や握手会を席巻しました。しかし、その眩しい笑顔の裏には、完璧主義で真面目すぎる性格ゆえの過酷な葛藤が存在していました。
シングル曲における「選抜」と「アンダー」の熾烈な序列争い、求められる「ひめたん」像と本来の自己との乖離。周囲の期待に応えようと自分をすり減らし続けた結果、2017年1月に適応障害を発症し、活動休止を余儀なくされます。当時の様子について、彼女は後に上梓した自著『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』(文藝春秋)の中で次のように赤裸々に振り返っています。
「朝起きても体が鉛のように重く、涙が止まらない。誰にも弱音を吐けず、自分が壊れていくのが分かった」――公の場で見せていた明るい笑顔の裏で、彼女は限界を迎えていました。一度はグループ復帰を果たしたものの、「アイドルとしての自分に区切りをつけ、同じように苦しむ人の力になりたい」という強い意志のもと、2017年11月の東京ドーム公演をもって乃木坂46を卒業しました。