2026年改編期のスタートと同時に、各局の看板枠である日曜劇場、月9、水曜22時枠などの初回視聴率一覧が相次いで出揃いました。かつてであれば「初回15%超えが合格点」とされた時代から一変、2026年現在のビデオリサーチ公表データ(関東地区)における世帯視聴率は、大半の新番組が6.2%〜8.5%のレンジに集中しています。とりわけ世間を騒然とさせたのが、総製作費が通常ドラマの約2倍と報じられた大型サスペンスドラマが、初回世帯視聴率5.8%という衝撃的な滑り出しを見せたことでした。
この結果に対し、ネット掲示板やSNSでは「今年一番の期待作だったのに大惨事」「脚本のテンポが遅いから切り捨てられた」といった辛辣なネットの反応と評判が瞬く間に拡散しました。しかし、番組プロデューサーや民放編成担当者が直視しているデータは全く別の風景を描き出しています。世帯視聴率が振るわなかった一方で、広告主が注視する13歳から49歳を対象としたコア視聴率は3.9%と高水準をマークしており、同時間帯の民放横並びでトップを獲得していたのです。
期待の話題作がリアルタイムの世帯視聴率で苦戦を強いられた決定的な理由は、若年層・現役世代の「リアルタイム拘束の拒絶」にあります。平日の夜や日曜夜に決まった時間にテレビの前に座る習慣そのものが、特に30代以下の単身世帯や共働き世帯において完全に消滅しつつあります。初回放送を「とりあえずTVerのお気に入り登録に入れておき、週末に自分のペースで消化する」という視聴態度が完全に標準化された結果、初回放送当日の受像機前にはシニア層しか残らず、そのシニア層好みの演出(わかりやすい勧善懲悪や時代劇的様式美)から外れた挑戦的ドラマほど、世帯視聴率が激落するという構造が完成しているのです。