神谷明の後任として白羽の矢が立ったのが、海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアー役などで圧倒的な実績を誇る小山力也だった。しかし、国民的人気キャラクターを引き継ぐプレッシャーは想像を絶するものだった。「最初は神谷さんの声を真似るべきか、自分の声で勝負すべきか悩んだ」と後に語っている。あまりに大きな看板を背負い、収録当初はマイクの前で手が震えたという。
だが、小山は逃げなかった。神谷が作り上げたコミカルで愛嬌のある毛利小五郎の基本線を引き継ぎつつ、持ち前のダンディズムと低音ボイスを巧みに融合。次第に「小山小五郎」としての独自のキャラクター像を確立していく。娘の毛利蘭を案じる父親としての温かみ、そして時に見せる鋭い男気。小山の熱演は、当初懐疑的だった視聴者の心を一気に掴んでいった。