大阪市西成区山王の一角に位置する飛田新地。かつて難波新地の大火を契機に大正初期に造成されたこの場所は、名目上は「飛田料理組合」に加盟する「料理店」が集まる飲食街として存続している。表向きは客と仲居が店内で飲食を楽しむ場であり、いわゆる風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)における店舗型性風俗特殊営業ではない独自の形式をとる。
歴史的には「ちょんの間」と呼ばれた小規模な接客形態が原型だが、戦後の売春防止法施行を経て、料亭という建前のもとで独自の営業を続けてきた。周囲の再開発や治安の変化をよそに、この歓楽街は過去の遺構と現代の欲望が同居する特異な空間として今なお熱を放っている。