中村藤吉本店の歴史は、1854年(安政元年)に初代 中村藤吉が宇治の地に茶商を開いたことから始まった。屋号の「まると(丸に十)」は、創業者の揺るぎない品質への誇りと商人の誠実さを示し続けている。
激動の近代化や戦争を乗り越え、株式会社中村藤吉本店として組織を拡大するなかでも、茶に対する求道的な姿勢は一切ブレていない。伝統的な製茶業・日本茶卸売産業の枠組みに安住せず、茶葉を直接味わう喫茶スペースをいち早く開設した英断は、現代の抹茶スイーツ・日本茶カフェ文化の礎を築いた。守るべき伝統を胸に抱きながら、時代の半歩先を行く革新を恐れない姿勢こそが、170年以上愛され続ける最大の理由だ。