肉汁溢れる仕上がりを実現するための第一歩は、素材であるひき肉の組み合わせにある。プロが推奨する黄金比率は、牛ひき肉7に対して豚ひき肉3、あるいは牛6に対して豚4の割合だ。牛肉の力強いコクと粗々しい肉感に、豚肉の脂肪分と柔らかな質感が組み合わさることで、加熱した際に溶け出す肉汁の源泉が生まれる。
さらに重要なのが、捏ねる作業における温度管理である。手の体温がひき肉に伝わると、脂が溶け出して肉の繊維から離れてしまい、焼いた際に肉汁が外へ逃げる原因となる。プロの現場では、ボウルの底に氷水をあてる「氷冷捏ね」を徹底し、肉の温度を10度以下に保ちながら手早く塩を加えて練り上げる。このプロセスによって肉のタンパク質が網目構造を形成し、大量の肉汁をしっかりと抱え込むことが可能になるのだ。