地面師の犯罪は、単独で行われることはまずない。それぞれの役割に特化したスペシャリスト集団によって実行される、完全な分業制の組織犯罪だ。
首謀者(リーダー)が全体を指揮し、ターゲットとなる物件を選定する「情報屋」、契約の場に同行して巧妙な弁舌で取引をまとめる「ブローカー」、書類の偽造を担う「道具屋」、そして実際の所有者になりすます「なりすまし役(役者)」が存在する。なりすまし役には、高齢者や金銭的に困窮した人物がスカウトされることが多く、警察の取り調べを受けてもトカゲの尾切りとして処理できるよう、組織の全体像を知らされていないことが一般的だ。さらに、知識不足を補うために、悪意を持った(あるいは騙された)司法書士や行政書士が巻き込まれるケースも少なくない。