レモンの栽培において、最も直接的かつ壊滅的なダメージを与えるのが病害虫の発生です。特に春先から夏にかけての管理が木の命運を分けます。
柑橘類栽培の天敵として知られるのがアゲハ蝶の幼虫駆除です。春に柔らかい新芽が出ると、ナミアゲハやクロアゲハが好んで産卵します。孵化直後は鳥の糞に似た黒褐色の幼虫ですが、終齢幼虫(緑色)になると旺盛な食欲で一晩にして枝を丸坊主にしてしまいます。新芽の時期は毎日葉の表裏を観察し、卵や若齢幼虫のうちにつまんで物理的に捕殺するのが最も安全で確実です。
また、雨が直接当たらないベランダなどで爆発的に繁殖するのがハダニです。体長0.5ミリ未満の微小な虫ですが、放置すると光合成能力が奪われ、木全体の活力が著しく低下します。日常的なハダニの駆除方法としては、水やり時にホースのシャワーで葉の裏側に勢いよく水をかける「葉水(はみず)」が極めて有効です。ハダニは水に極端に弱いため、毎日の葉水だけで繁殖を劇的に抑制できます。
さらに警戒すべき細菌病が「かいよう病」です。葉や枝にコルク状のボツボツができ、落葉を招きます。風で葉が擦れ合ったりトゲで傷がついた部分から菌が侵入するため、レモンのかいよう病対策としては、幼木のうちに不要なトゲをハサミで剪定しておくこと、そして台風の通過前後に銅殺菌剤を散布して傷口を保護することがプロ農家の鉄則です。