愛称「シャンペリー組」として世界のスケートファンに広く親しまれるスイスの練習拠点。ここで彼を指導するのは、トリノ五輪銀メダリストであり屈指の表現者として知られるステファン・ランビエール氏だ。二人の師弟関係は単なる「コーチと選手」の枠を完全に超えている。ステップのひと踏み、視線の落とし方、さらには身体全体で音を奏でるような振付の細部に至るまで、熱を帯びた対話が日々繰り返されている。
かつて同門の先輩として背中を追い続けた宇野昌磨の存在も、彼のスケート人生に計り知れない影響を与えた。世界の頂点で戦う宇野のストイックな姿勢を間近で体感した経験は、彼の中で確かな糧となり、独自の美学へと結実している。「氷上で自分自身を解放する歓び」を覚えたスケーターの滑りは、観客の感情を揺さぶる強烈なオーラを放っている。