この画期的な施設の基礎を築いたのは、都道府県と市区町村がタッグを組んだ全国的にも珍しい「長崎県・大村市一体型図書館整備プロジェクト」である。かつて広域型図書館と地域密着型図書館は、それぞれの役割の違いから別々に運営されるのが常識であった。しかし、長崎県立図書館の老朽化と大村市の新たな拠点づくりのタイミングが合致したことで、前例のない広範な連携事業が結実したのだ。
広域的な調査研究機能を持つ長崎県立図書館と、市民の日常的な読書や学習を支える大村市立図書館。この両者がひとつの建物に収まることで、蔵書規模の拡大はもちろんのこと、専門的な司書スタッフによる手厚いレファレンスサービスがすべての人に開かれることとなった。行政の縦割り構造を打ち破り、ハードとソフトの両面で効率化と高品質化を両立させたこの試みは、地方自治の新たなモデルケースとして高く評価されている。