日本の映画史を語る上で、彼女が松竹株式会社の看板女優として果たした役割は極めて大きい。戦後の日本中を空前の旋風に巻き込んだ映画『君の名は』での真知子役は、彼女の名を不動のものとした。「真知子巻き」のスタイルは日本全国で大流行し、まさに昭和映画の黄金期を代表する象徴的エピソードとなった。
その後も巨匠・市川崑監督と組み、人間の深い情念と愛憎を描き出した映画『おとうと』や、谷崎潤一郎の不朽の名作を絢爛豪華に映像化した映画『細雪』など、日本映画界に燦然と輝く名作で主演を務めた。画面を圧するような気品と、心の奥底に秘めた情熱。彼女がスクリーンに刻みつけたヒロインたちの姿は、半世紀以上の時を経た今も色あせることがない。