ショーケースの特等席で放たれる圧倒的な存在感。今、甘党たちの間で爆発的な話題を呼んでいるのが、堀越店だけでしか出会えない限定の新作ベイクドスイーツだ。地元契約農家から毎朝届く新鮮な紅玉りんごを、限界まで煮詰めずに果肉のしゃっきり感を残したまま特製アーモンドクリームと共にパイへと包み込んでいる。口に含んだ瞬間に弾ける鮮烈な酸味。それを包み込むバターの重厚なコク。甘さでごまかさない潔い仕上がりに、思わず息を呑む。
「妥協した瞬間に、りんごの命が消えてしまうんです」
そう語る現場責任者の眼差しは鋭い。火入れの時間、その日の湿度に応じた生地の折り込み回数、すべてが秒単位・ミリ単位で調整される。週末ともなれば、開店からわずか1時間足らずでトレイが空になることも珍しくない。確実に手に入れたいファンが午前中の早い時間帯を狙って訪れるのも頷ける完成度だ。