読者の間で長年大きな疑問として挙げられていたのが、「第四次忍界大戦において、なぜ薬師カブトは飛段を穢土転生で復活させなかったのか?」という点です。長門、イタチ、サソリ、デイダラ、そして相棒の角都までもが前線に投入される中、飛段の姿だけは戦場にありませんでした。
この疑問に対する決定的な理由は主に2点存在します。
第1に、「遺体(遺伝子情報・DNA)の回収が物理的に不可能だった」ことです。飛段が埋められた場所は、火の国でも特異な結界と生態系を持つ「奈良一族の鹿の森」です。奈良一族関係者以外の立ち入りは厳格に禁じられており、森に棲む鹿たちが常に侵入者を監視しているため、いくらカブトであっても潜入して地中深くの肉片を回収することは極めて困難でした。
第2に、「開戦準備の時点では魂が浄土へ渡っていなかった(完全に死に切っていなかった)」可能性です。穢土転生は「死者の魂」を現世に呼び戻す術であるため、術の発動時点で飛段の脳や一部の細胞が死に至っていなければ対象外となります。
なお、アニメ版オリジナルエピソード『力-Chikara-』において、カブトが飛段の細胞と蛇の技術を用いて造り出した「飛段のクローン(擬似体)」が登場しますが、これは本人の魂を口寄せした穢土転生ではなく、完全な別個体であることが作中で明確に描写されています。