ネット上のコミュニティやSNSでは長年、「コナミが名門ハドソンを無理やり買収してブランドを潰した」というネガティブな言説が繰り返されてきました。しかし、一次資料や当時の財務データを検証すると、この解釈には大きな誤解が含まれています。
第一に、コナミの資金注入がなければハドソンは2000年代初頭に倒産していた可能性が極めて高かったという冷徹な事実です。拓銀破綻による債務超過リスクの中で、ホワイトナイト(友好的救済者)として巨額の資本を引き受け、雇用と開発ラインを維持させたのはコナミでした。
第二に、「ハドソンのブランド消滅」は悪意による抹殺ではなく、グローバル展開と経営効率化に伴う必然的なグループ再編でした。2010年代以降、世界のゲーム市場はパブリッシャーのブランド統合(例:スクウェア・エニックス、バンダイナムコエンターテインメント)が加速しており、重複する間接部門のコストを削減し、コナミブランドへ一本化することは企業経営として極めて合理的な判断でした。
また、ハドソン開発陣が培った技術力は散逸したわけではなく、多くのクリエイターがコナミ社内へ移籍したほか、任天堂と密接に連携する独立スタジオ(マリオパーティシリーズを手掛けるエヌディーキューブなど)へ合流し、現在も日本のゲーム産業の中核で活躍を続けています。