清水くるみの知られざる大きな武器が、その高い学歴と教養に裏打ちされた論理的思考力です。彼女は難関私立大学として知られる上智大学総合人間科学部社会学科を4年間でストレート卒業しています。
芸能界では学業を途中で断念したり、通信制へ移行したりするケースも珍しくありません。しかし彼女は、映画『桐島、部活やめるってよ』で注目を浴び、オファーが急増していた多忙な20代前半の時期にあっても、一切妥協することなく講義に出席し、リポートを提出し続けました。当時のインタビューや手記でも「学生時代に学問を通じて社会の構造や人間の行動原理を体系的に学べたことが、台本を読み解く上での基盤になっている」と語っています。
社会学で培われた「人間が置かれた環境と、それによって形成される心理のズレ」を客観視する視座は、彼女の役作りに極めて深いリアリズムを与えています。記号化されたステレオタイプの演技に陥ることなく、登場人物の矛盾や痛みを多角的に捉えるアプローチは、演出家や映画監督から絶大な信頼を寄せられる要因となっています。