SNSや園芸Q&Aサイトで最も多くのパニック報告が見られるのが、前日まで青々としていたつるが突然ぐったりと萎れる「立ち枯れ病」です。ネット上では「立ち枯れ病が発生したら土ごと全部捨てて処分するしかない」という極端な情報も見受けられますが、これは完全な誤解です。
クレマチス立ち枯れ病原因と対策を正しく知れば、冷静に対処できます。原因の多くは土壌中の糸状菌(カビ)が茎の傷口などから侵入すること、あるいは急激な蒸れによって導管が詰まることにあります。立ち枯れが発生した際の対処法は、「萎れたつるを地際ギリギリですぐに切り落とし、殺菌剤(ベンレートやダコニール等)を株元に潅水する」ことです。前述の「深植え」を実践していれば、地中に埋まった無事な節から数週間〜1ヶ月程度で新しい元気なシュートが再び力強く芽吹いてきます。慌てて根ごと掘り起こして捨ててはなりません。
また、クレマチス冬越し方法についても「寒冷地では室内に入れなければならないのか」という質問が多く寄せられます。日本で栽培される大半の園芸品種は氷点下マイナス10度前後まで耐える耐寒性を持っています。冬越しで最も注意すべきは寒さそのものよりも「休眠期の水切れ」です。地上部が枯れ木のように見えても地下の根は生きて呼吸しています。鉢土が完全に乾ききらないよう、冬場も週に1回程度、晴れた日の午前中にたっぷりと水を与えることが春の萌芽を約束します。
さらに、初夏(5月下旬〜6月)の花後剪定で切った枝を活用するクレマチス挿し木のやり方もマスターしておくと、お気に入りの品種を安全に増殖できます。今年伸びて適度に硬くなった健康なつるを選び、2節(約10〜15cm)の長さにカットします。下の節の葉を取り除き、切り口を斜めにカットして1時間ほど水あげした後、無菌の挿し木用土(赤玉土微粒やバーミキュライト)に挿します。直射日光の当たらない明るい日陰で用土を乾燥させずに管理すれば、約1ヶ月で発根し、確実なクローン苗を作出することが可能です。