神道指令と1947年施行の日本国憲法第20条(信教の自由・政教分離)を受け、従来の祝祭日令は失効を余儀なくされました。これに伴い、1948年(昭和23年)に新たな「国民の祝日に関する法律(祝日法)」を制定するための審議が国会および祝祭日審査委員会で進められました。
当初、GHQ側は神道色の強い祝日の全廃を求め、新嘗祭の日付そのものを休日リストから除外する案も検討されていました。しかし、古くから収穫の喜びを分かち合ってきた11月23日を休日のまま残したい日本側と、宗教性を排除したいGHQの間で激しい折衝が行われました。
そこで浮上したのが、アメリカの伝統行事である「サンクスギビング(Thanksgiving Day=感謝祭)」および「レイバー・デイ(Labor Day=労働者の日)」の概念を融合させる妥協案です。米国の感謝祭も元来はピルグリム・ファーザーズの収穫感謝に由来しますが、近代アメリカでは宗教宗派を問わない国民的な祝日として定着していました。
帝国議会および第2回通常国会の審議録によると、農業中心の社会から工業・商業を含めた近代産業社会へと転換する日本の復興期において、「新穀の収穫への感謝」を「すべての生産活動と労働への感謝」へと再定義する方針が採られました。こうして「勤労感謝の日」という新たな名称が考案され、日付を11月23日に維持したまま法制化されたのです。