従来の「6,852島」という公称値は、1987年に海上保安庁がまとめた『海上保安の現況』に掲載されていた数値でした。当時としては極めて意欲的な調査でしたが、基本資料となったのは紙の海岸線図(縮尺2万5千分の1)であり、調査員が手作業で地図上の島を拾い上げて数えるというアナログな手法に頼らざるを得ませんでした。
当時に携わった関係者の記録や測量現場の証言を辿ると、「海岸線が複雑に入り組んだリアス海岸や、無数の岩礁が群生する海域では、どこまでを独立した陸地とみなすかの線引きが極めて困難だった」と振り返られています。結果として、細かな小島や細長い岩礁が見落とされたり、干潮時に砂州でつながる陸地がひとつの島と誤認されたりするケースが少なくありませんでした。
これに対し、国土地理院が採用したのがデジタル基盤地図情報である「電子国土基本図」です。最新の航空レーザー測量や高解像度衛星画像をフル活用し、コンピューター解析によって満潮時の輪郭線をミリ単位の精度で抽出。その結果、従来は見逃されていた極小の陸地が次々と独立した島として認識され、最終的に14,125島という新データが確立されました。