企業の公式記録である有価証券報告書の最新データを確認すると、信越化学工業の平均年間給与は約890万〜930万円前後(平均年齢42.5歳、平均勤続年数約20年)を推移しています。国内上場企業の平均(約460万円)をはるかに上回り、化学セクター全体で見ても最上位クラスに位置する高水準です。
ただし、この数字を鵜呑みにして「40代になっても1000万円には届かないのか」と判断するのは早計です。同社の従業員データには、国内各工場(群馬、直江津、武生、鹿島など)で交代勤務に従事する製造現場オペレーター(高卒・高専卒等の技能職)が数多く含まれています。製造現場の人員比率が全社従業員の約半数を占めているため、全体の平均値が平準化されているのが実態です。
本社機能や研究所、グローバル営業を担う大卒・院卒の信越化学工業総合職の給料事情にフォーカスすると、景況感は一変します。総合職単独のモデル賃金を試算・分析すると、30代中盤で900万円に迫り、30代後半から40歳前後で年収1000万円プレーヤーが日常的に誕生しています。製造現場の堅実な給与水準と、総合職のトップクラスの報酬体系が合算された結果が、有報記載の約900万円という数値の裏側にある真実です。