不動産ポータルサイトを開き、武蔵小山駅周辺の中古物件を検索した瞬間に言葉を失う買い手は少なくありません。ファミリー向けの70平米前後の住戸を探すと、駅徒歩数分のタワーマンションであれば1億4,000万〜1億7,000万円台、駅から少し離れた築10〜15年前後の物件であっても1億円の大台を突破する事例が当たり前のように並んでいるためです。
現地で不動産仲介を担当する営業担当者は、現在の取引状況を次のように明かします。
「数年前まで『品川区・目黒区の境界にある庶民的な街』という感覚で予算7,000万〜8,000万円で探しに来られた一次取得層のお客様が、相場の実態を知って近隣の西小山や武蔵荏原、あるいは東急大井町線沿線へエリア変更を余儀なくされるケースが日常茶飯事です。『高すぎて買えない』という嘆きは単なる誇張ではなく、購入検討層の年収帯と物件価格が完全に乖離し始めたリアルな現場の叫びと言えます」
この武蔵小山坪単価推移を振り返ると、2015年頃の駅周辺平均坪単価は約320万円前後でした。それが2019年から2020年にかけた駅前複合タワーの竣工、さらに2023年の東急新横浜線開業による利便性向上を経て右肩上がりに急伸。現在では駅周辺全体の中古成約平均が坪550万円超へと跳ね上がっています。港区や渋谷区の都心コアエリアの暴騰に引きずられる形で、城南屈指のプレミアムタウンへと価格帯そのものがスライドしました。