Q1:今朝から激しい回転性めまいがあります。救急車を呼ぶべきか、自力で耳鼻咽喉科を受診すべきか迷っています。
A1:判断の決定打となるのは「耳以外の神経症状があるかどうか」です。手足のしびれ、力が入らない、ろれつが回らない、他人の話が理解できない、物が二重に見える、立っていられないほどの激しい頭痛がある場合は、小脳や脳幹の出血・梗塞が疑われるため、迷わず119番で救急車を要請してください。一方、「頭を動かした時だけ天井が激しく回り、じっと安静にしていれば1分以内にめまいが収まる」「手足の脱力や言語障害はない」という状態であれば、良性発作性頭位めまい症の可能性が高いため、ご家族の付き添いやタクシーを利用して耳鼻咽喉科を受診してください。
Q2:外回りや現場仕事ではなくデスクワークですが、めまいが残っていても出勤して問題ありませんか?
A2:発症当日から翌日にかけての激しい急性期は、デスクワークであっても出勤は避けるべきです。パソコン作業はモニターとキーボード、手元の書類を交互に見るなど頻繁に首を上下・左右に傾けるため、半規管内の耳石が動いて激しいめまいや吐き気がぶり返します。また、通勤電車内の揺れ自体が発作の引き金になることもあります。まずは1〜2日休み、頭を動かしても激しい回転が起きないレベルに落ち着いてから、可能であれば在宅勤務から再開するのが現実的です。
Q3:良性発作性頭位めまい症で数週間会社を休む場合、診断書はどのような内容で書いてもらえますか?また傷病手当金は出ますか?
A3:耳鼻咽喉科の医師に依頼すれば、「良性発作性頭位めまい症のため、〇月〇日まで自宅療養および加療を要する」といった内容の就労不能診断書を発行してもらえます。また、療養期間が連続4日以上に及ぶ場合、健康保険の傷病手当金の支給対象となります。医師に「傷病手当金支給申請書」の療養担当者記入欄へ労務不能の証明を記載してもらい、会社の健康保険組合に提出することで、給与の約3分の2が手当として給付されます。
Q4:一度良性発作性頭位めまい症が治った後、仕事中に再発させないための日常的な予防策はありますか?
A4:良性発作性頭位めまい症は約1年で15%、数年で30〜50%の人が再発するといわれる疾患です。予防策として極めて有効なのは「同じ頭の位置で長時間じっとしないこと」です。デスクワーク時は1時間に1回首や肩をゆっくり回すストレッチを取り入れてください。また、朝起きる前と夜寝る前に、布団の上で左右にゴロゴロと寝返りを打つ「寝返り体操」を毎日行うと、耳石の沈着を物理的に防止できます。枕の高さを少し高め(10cm程度)に設定し、頭をやや高くして眠ることも有効な予防アプローチです。