『東京喰種』を巡る最大の論争地点は、間違いなく「結末の描かれ方」にあります。特にアニメ第2期『√A』と、最終章『東京喰種:re』における物語の決着は、原作コミックス読者とアニメ単独視聴者の間で激しい議論を呼びました。
『√A』の衝撃的なオリジナルラストと原作第1部の断絶
アニメ第2期『東京喰種√A』の最終回(第12話「研」)は、原作者のネーム原案を元にしつつも、原作漫画とは大きく異なる演出が施されました。激戦の果てに致命傷を負った親友・永近英良(ヒデ)の亡骸を腕に抱き、金木が雪降る灰燼の街を無言で歩き続ける静寂のシークエンスです。バックに流れるのは、挿入歌として美しくリアレンジされた「Unravel」。
原作第1部では、地下の「V14」で待ち受けていたCCGの死神・有馬貴将によって金木の両目が貫かれ、脳を破壊されて敗北するという容赦のない結末が描かれました。しかしアニメ版では、雪原で待ち受ける有馬の前にヒデの遺体を横たえ、金木が静かに目を閉じる場面でフェードアウト。この抽象的な余白を残した幕切れは、視聴者に強烈な詩的余韻を残した反面、原作の残虐な結末を知るファンからは戸惑いの声も上がりました。
『東京喰種:re』最終回の真相:金木研のその後の家庭と世界の調和
そして物語の真の結末である『東京喰種:re』において、金木研はどのようなラストを迎えたのか。結論から言えば、金木研は死亡することなく、過酷な闘争を乗り越えて真の平穏を手にしました。
旧多二福の企みによって東京中を巻き込む超巨大生命体「竜」へと変貌させられた金木でしたが、人間と喰種が手を取り合った共同戦線によって体内から救出されます。黒幕である旧多を倒し、喰種を人間へ戻す(あるいは共存可能にする)技術研究が進んだ世界で、金木は霧嶋董香と正式に結ばれました。
最終話(原作第179話)では、激闘から6年の歳月が流れた平和な東京が描かれます。そこには、董香との間に生まれた愛娘・一花(いちか)を抱き上げ、さらに董香のお腹に宿る第2子の命を慈しみながら、穏やかな笑顔を浮かべる金木の姿がありました。かつて「僕を主人公にして一編の作品を書くとすれば、それは確実に『悲劇』だ」と独白していた少年が、自らの足で掴み取ったのは、他者と繋がり生き続けるという「祝福」に満ちた結末だったのです。