インターネット上の掲示板や知恵袋などでは、犬の足舐めに関して医学的根拠の乏しい危険な民間療法が散見されます。中でも獣医師たちが強く警鐘を鳴らしているのが、人間用の消毒液やエタノールアルコールを用いた自己流ケアです。
「バイ菌がいるなら消毒すれば治るだろう」という安易な思い込みから、市販の消毒スプレーを足先に吹きかけたり、アルコールウェットティッシュでゴシゴシ擦る行為は絶対に避けてください。犬の表皮は人間の3分の1程度の厚さしかなく、非常にデリケートです。高濃度のアルコールは皮膚の必要な皮脂膜まで根こそぎ奪い去り、過度の乾燥と猛烈な痛みを引き起こします。刺激によって皮膚のバリアがさらに破壊され、炎症が悪化するという最悪の結末を招きます。
また、「蒸れないように靴下を履かせっぱなしにする」「市販の人間用かゆみ止め軟膏を塗る」といった対処も極めて危険です。犬は肉球に汗腺(エクリン腺)が存在するため、通気性の悪いソックスやバンデージで覆うと内部が高温多湿となり、菌の増殖を爆発的に加速させます。さらに、人間用の外用薬に含まれるステロイドやサリチル酸メチルを犬が舐め取って体内に取り込んだ場合、消化器潰瘍や中毒症状を引き起こす危険性すら孕んでいます。自己流の外用薬 消毒は百害あって一利なしと認識すべきです。