インターネット上の質問掲示板やSNSでは、誤った情報に翻弄された女性たちの切実な証言が散見されます。ある30代後半の女性は、知恵袋や動画共有サイトの「筋トレで筋腫を小さくする」というインフルエンサーの投稿を信じ込み、パーソナルジムでハードな下半身トレーニングを継続していました。
「パーソナルジムに通い始めて3カ月目、スクワット中に下腹部へ走るような激痛を覚え、倒れ込んで救急搬送されました。診断は有茎性筋腫の茎捻転手前のうっ血と、骨盤内血流悪化による急性炎症でした。筋腫が消えるどころか、激しい出血でヘモグロビン値が6.8g/dLまで落ち込み、即入院を余儀なくされました」(30代女性・手記より抜粋)
健康社会学や心理学の視点からこの現象を紐解くと、病名告知を受けた人間が陥りやすい「健康ローカス・オブ・コントロール(健康管理の自己支配欲)」の歪みが背景にあります。病院で「様子を見ましょう(経過観察)」と言われた際、なにもできない無力感に耐えかね、「自分の力で治したい」「筋トレという目に見える努力で病変をコントロールしたい」という心理的代償行為が働きやすいのです。その結果、医学的裏付けのない怪しい言説に救いを求めてしまう構造が生じています。