電気通信主任技術者試験を効率的に突破するうえで、戦略的に検討すべきが「科目免除制度」の活用です。総務省令および試験センターの最新要綱に基づき、保有資格や実務経験、学歴に応じて免除規定が設けられています。
なかでもインフラエンジニアの間で「王道ハック」として知られているのが、第一級陸上無線技士(一陸技)を取得してから電気通信主任技術者へ進む免除ルートです。一陸技を保持している場合、電気通信主任技術者の「電気通信システム」科目が免除されます。「電気通信システム」は基礎的な電気回路や論理回路、通信理論を問う科目ですが、計算問題の難易度が高く、数学が苦手な文系出身者にとっては巨大な関門となります。過去問の焼き直しが多く対策を立てやすい一陸技を先に攻略し、免除切符を手に入れてから本丸に挑む手法は、極めて合理的なリスクヘッジと言えます。
しかし、この科目免除戦略には一般にあまり語られない「落とし穴」が存在します。免除によって受験科目を1科目減らせる反面、残された「設備及び設備管理」の負担割合が相対的に跳ね上がる点です。
設備管理は配点100点中60点以上で合格となりますが、伝送、交換、データ通信、無線、ファシリティと範囲が膨大であり、最も足切りに遭いやすい鬼門科目です。システム科目を免除された結果、設備管理と法規の2科目に絞ったものの、設備管理の初見問題に打ちのめされて2期連続で不合格を喫し、最終的に「最初からシステム科目を受験して科目合格の点数を積み上げたほうが早かったのではないか」と後悔する受験者の声も少なくありません。免除の利用は、自身の工学系基礎学力と設備管理への習熟度を天秤にかけたうえで、冷徹に判断する必要があります。