チケット一般発売やリセールで流通する「注釈付き指定席」。大手プレイガイドの注意書きには「出演者やステージ演出、映像の一部が見えづらい場合があります」と記載されますが、現場での実際の体験はどう評価されているのでしょうか。SNSやコミュニティ上の証言を分析すると、極端な二極化が見受けられます。
肯定派の意見として目立つのは、「スタンド真横の超至近距離」を評価する声です。「ステージ端の花道やウィングに推しが走ってきた瞬間、アリーナ後方よりも圧倒的に近くて目が合った」「スタンバイ中の舞台袖の様子やスタッフの動きまで見えて、ファンとしてはむしろ興奮した」といった、物理的な距離の近さを歓迎する熱量のあるレポートが多数存在します。
一方、構造的な不満として噴出しているのが「巨大LEDスクリーン(中央モニター)の完全死角問題」です。ステージ真横に位置する角度(サイドスタンド寄りの注釈席)の場合、奥まったメインステージ中央のセットや、背面に流れる映像演出が構造材やスピーカーフレームに遮られてほぼ見えなくなります。「曲の世界観を彩るCG映像やMC中のアップ表情が全く見えず、何が起きているのか歓声でしか察知できなかった」という手記も少なくありません。
さらに、野外スタジアム特有の「音響ディレイタワー(遠隔スピーカー中継塔)」や「照明トラス」の真裏に配置された注釈席では、視界の中央を太い鉄骨ポールが貫く形になります。演出全体を一つの作品として鑑賞したい層にとっては強いストレスとなり得ますが、現場の熱気や生歌の爆音をダイレクトに浴びたい層にとってはコストパフォーマンスの高い良席へと変貌します。