インターネット上の検索エンジンで「札幌開成 高校 偏差値」と打ち込むと、古い教育ポータルサイトには「偏差値63〜66」という数値が残されている一方で、大手予備校や家庭教師サービスの最新高校入試一覧からはその名称が見当たりません。この齟齬が生じている理由は極めて明快で、同校が高校段階からの生徒募集を完全に停止したためです。
札幌開成高校の歴史を振り返ると、1962年の開校以来、自主自律を掲げるリベラルな進学校として多くの俊英を輩出してきました。普通科に加えて1997年には先進的な理数教育を掲げる「コズモサイエンス科」を新設するなど、道内の公立進学指導を牽引してきた存在です。政界で活躍する泉健太衆議院議員や、学界・文化界で活躍する卒業生を多数送り出してきた実績からも、その伝統の重みがうかがえます。
転機が訪れたのは2011年、札幌市教育委員会が策定した「札幌市中高一貫教育設置基本構想」でした。グローバル社会で主体的に課題を解決できるリーダーの育成を目指し、北海道札幌開成高等学校を母体として、2015年4月に北海道初となる公立の中高一貫校「市立札幌開成中等教育学校」が誕生しました。これに伴い、従来の高校課程は年次進行で縮小され、2021年3月の卒業生を最後に旧高校課程は幕を下ろしました。現在、高校受験で受検することは一切できず、同校へ進学するルートは小学6年生を対象とした「中等教育学校の入学者選考」のみとなっています。