第153回芥川賞をめぐる狂騒曲は、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹とのダブル受賞によって絶頂を迎えた。お笑い芸人初の受賞という快挙に世間が湧く中、隣に並んだ羽田が放つ強烈な個性と割り切った言動は、メディアの注目度をさらに押し上げた。記者会見やインタビューで見せたクールな立ち振舞いは、従来の「偏屈な文学者」というイメージを根底から覆した。
「便乗と言われようが、自分の本が売れて業界が潤うならそれでいい」。そう言い切る彼の身も蓋もないスタンスは、地盤沈下が叫ばれていた出版業界に強烈なカンフル剤として作用した。二人の異なる異能が引き起こした熱狂は単なる一過性のブームに終わらず、純文学というジャンルの可能性を一般層へ強力に再提示する結果となった。