長年、M-1グランプリは吉本興業所属の芸人が圧倒的な層の厚みで席巻する「絶対王国」だった。その巨大な壁に風穴を開けたのが、ソニー・ミュージックアーティスツ所属の錦鯉である。他事務所からのチャンピオン誕生は、漫才界全体の勢力図を根本から書き換えた。
ソニー・ミュージックアーティスツのお笑い部門は、かつて「他で行き場を失った芸人の吹き溜まり」と揶揄されることもあった。しかし、泥臭く舞台に立ち続けた彼らが手にした勝利は、大手事務所主導の既存ルートに乗らずとも、圧倒的な面白ささえあれば頂点に立てるという新たな希望を提示した。