なぜ名門校の生徒でありながら、あれほどまでに過激なスタイルへと傾倒していったのでしょうか。その背景には、櫻井翔が直面していた過酷な環境と、自己の存在意義をかけた葛藤が存在します。
小学校から慶應義塾に通う生粋の「慶應ボーイ」だった櫻井翔。当時の芸能界において、現役で難関大学に進学し、留年することなく4年間で卒業したアイドルは極めて異例でした。周囲の同級生たちが一流企業への就職や国家公務員を目指す中、芸能活動を続けることへの周囲からの冷ややかな視線や偏見に対し、彼は自らの手で結果を出し続けるしかありませんでした。
自著や当時の特番インタビューにおいて、彼は当時の心境を「何者でもない自分が怖かった」「学業を言い訳にしたくないし、アイドルだからと見下されたくもなかった」と述懐しています。
社会学・青年心理学の観点から見れば、彼の金髪やへそピアスといった外見的変貌は、単なる不良行為ではなく「心理的リアクタンス(外部からの抑圧や既存の枠組みに対する強い抵抗)」の表れと分析できます。恵まれた家庭環境や「エリート」というレッテル貼りを拒絶し、自分自身の実力だけで居場所を勝ち取ろうとする強烈な自立心の証明だったのです。