映画やドラマの現場における山田裕貴の演技力に対する評判は、業界内外を問わず極めて高水準です。特に映画関係者や監督陣が口を揃えるのは、「脚本の余白を埋める反射神経の鋭さ」です。
大ヒットを記録した映画『東京リベンジャーズ』で演じた「ドラケン」こと龍宮寺堅役では、原作キャラクターの持つ圧倒的な強さと包容力を再現するため、地毛を剃り上げて現場に挑みました。アクションシーンにおける体のキレはもちろんのこと、静かに仲間を見つめる眼差しの温度感に至るまで計算し尽くされた芝居は、原作者やコアなファン層からも絶賛を浴びました。
一方、このストイックな俳優像と鮮やかなコントラストを描いているのが、パーソナリティを務めるニッポン放送『山田裕貴のオールナイトニッポン』です。
月曜深夜の電波に乗って聞こえてくるのは、役柄の格好良さとはかけ離れた、喜怒哀楽を隠さない一人の生々しい青年の声です。自分の弱さや情けなさを赤裸々に告白し、アニメや特撮への偏愛を早口で熱弁し、リスナーからの辛辣なイジりメールに本気で狼狽する――。SNS上では「スクリーンの中では神がかった演技をするのに、ラジオでは親近感の塊」「カッコつけない山田裕貴が一番かっこいい」といった声が溢れています。
虚構の世界で完璧に他者を生きるための緊張感を、ラジオという生放送の場で素の自分をさらけ出すことによってリセットする。この極端な振れ幅こそが、山田裕貴という表現者の精神的バランスを保ち、視聴者を惹きつけて離さない引力となっています。