自民党総裁選を理解するうえで不可欠なのが、国会議員票と党員票の配分構造です。通常の任期満了に伴うフルスペック総裁選では、衆参両院の「自民党所属国会議員票(1人1票)」と同数の「党員・党友票」が割り当てられます。
総裁選党員投票仕組みは、全国の党員・党友による投票結果を「ドント方式」で各候補者に比例配分する形式を取ります。第1回投票で有効投票総数の過半数を獲得した候補者がいればその時点で当選となりますが、乱立した場合は上位2名による「決選投票」にもつれ込みます。
ここに、総裁選最大のドラマと逆転劇が生まれる構造的理由があります。決選投票では国会議員票の比重が一気に跳ね上がり、党員票は「各都道府県連に1票(計47票)」へと大幅に圧縮されます。つまり、第1回目の党員投票でトップに立った候補であっても、決選投票で議員票をまとめきれなければ敗北するという力学です。2024年の総裁選でも、第1回投票トップの高市氏を決選投票で石破氏が逆転した背景には、この投票制度の特性がありました。
さらに出馬への最初の門番となるのが自民党総裁選推薦人20人の規定です。自民党所属の国会議員20名から正式な署名を集めなければ、立候補すら認められません。派閥の後ろ盾がなくなった状況下では、この「20人集め」そのものが極めて高いハードルとして機能しています。