21世紀に入り、この通りを巡る熱狂を決定づけたのはベネディクト・カンバーバッチが主演を務めた英BBCのドラマ『SHERLOCK/シャーロック』だった。スマートフォンを駆使し、ニコチンパッチを貼った現代のホームズ像は、古典的な推理小説ファンのみならず新たな世代を世界規模で獲得した。
劇中の221B外観ロケ地となったユーストン駅近くのノース・ガウワー・ストリートには連日長蛇の列ができ、その波及効果は本家であるこの通りにも直撃した。映画・テレビ制作産業がもたらす経済効果は凄まじく、ロケ地ツーリズムはロンドン観光の柱へと成長。さらに近年ではNetflixなどの巨大配信プラットフォームが『エノーラ・ホームズの事件簿』をはじめとするスピンオフや新たなクライムサスペンスを次々と展開し、19世紀ロンドンのダークな世界観をグローバルなエンターテインメントへと再定義し続けている。