定番の甘酢漬けだけが大根の居場所ではない。いま台所で楽しまれている味付けは、驚くほどボーダーレスだ。白だしとごま油をひと回しし、すりごまを振れば、たちまち居酒屋風の無限おつまみに化ける。あるいはオリーブオイルにレモン汁、黒胡椒を挽けば、白ワインに寄り添うカルパッチョ仕立ての箸休めになる。
少しパンチが欲しいなら、チューブの柚子胡椒や花椒(ホアジャオ)、あるいはナンプラーを数滴垂らすのも面白い。淡白でクセのない大根は、世界中のどんなスパイスやオイルも寛容に受け止める。冷蔵庫にある調味料の「余り物」を一掃するキャンバスとしても、これ以上の食材は見当たらない。