原監督の足跡は、伝統的な陸上界の指導者像とは大きく異なる。順天堂大学時代は足のケガに泣かされ、目立った個人タイトルを獲得できないまま現役を引退。卒業後は中国電力に入社した。陸上部を離れた彼は、ここで「伝説の営業マン」としての非凡な才能を開花させる。
新規事業の立ち上げで社内トップクラスの実績を上げ、ビジネスの最前線で揉まれた経験。これがのちに陸上界へ戻った際の最大の武器となった。従来の指導法に疑問を抱いていた彼は、企業で培った組織構築のアプローチを持ち込んだ。関東学生陸上競技連盟の枠組みの中でも異彩を放ち、長年低迷していたチームを常勝軍団へと引き上げた手腕は、ビジネス現場での泥臭い実践経験があったからこそだ。