病院へ行かずに乗り切ろうとする人が最も陥りやすい落とし穴が、手元にある市販の風邪薬や解熱剤の無分別な服用です。ネット上には「解熱剤を飲んで無理やり下げれば治る」という誤解が散見されますが、これは医学的に極めて危険な行為です。
推奨される市販薬成分と絶対に避けるべき成分
インフルエンザの市販薬でおすすめできる有効成分は、原則としてアセトアミノフェン単一製剤(タイレノールA、バファリンルナJなど)に限られます。アセトアミノフェンは中枢神経に作用して体温調節中枢を穏やかにコントロールし、脳浮腫などのリスクを高めません。
一方で、絶対に避けるべきなのが非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。具体的には、アスピリン(アセチルサリチル酸)、メフェナム酸(ポンタール等)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン等)は、小児において致死率の高いライ症候群やインフルエンザ脳症の重症化を引き起こすことが確認されており、原則禁忌とされています。また、大人が多用するロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンも、重篤な合併症リスクを考慮すると自己判断での使用は極めて慎重であるべきです。
インフルエンザ自宅療養の効果的な過ごし方
自宅療養で確実に快方へ向かわせるためには、環境設計が成否を分けます。室内温度は20〜22℃、湿度はウイルスの活性を低下させ粘膜の乾燥を防ぐため50〜60%を厳格に維持してください。水分補給は単なる水ではなく、電解質バランスが設計された経口補水液(OS-1等)やスポーツドリンクを少しずつ頻回に摂取します。発汗による脱水は血液を濃縮させ、血栓症や全身性ショックを引き起こす引き金となるためです。