山梨県における動物行政の舵取りは、明確なヴィジョンとともに加速している。山梨県庁は、長崎幸太郎知事のもとで「殺処分ゼロ推進計画」を強力に推し進めてきた。かつて年間数千頭にのぼっていた殺処分数は、官民一体となった施策により劇的な減少を見せている。
ここで重要なのは、「見かけ上のゼロ」を追う危険性を排除している点だ。治療が極めて困難な重度の傷病や、他者へ危害を加える重大な攻撃性を持つ個体への苦渋の決断を曖昧にせず、健康で譲渡可能な動物の殺処分ゼロを着実に維持する。数字の美しさだけを誇るのではなく、現場で働く獣医師や職員の倫理観に根ざしたリアルな運用が続いている。