海外メディアによる岸田前首相の描写は、日本国内で抱かれていた「優柔不断」「聞く力という名の先送り」というイメージとは真っ向から対立するものでした。
2023年5月、米老舗週刊誌『TIME(タイム)』の表紙を飾った際の見出しは、「日本の選択:岸田首相は平和主義を捨て、自国を真の軍事大国に導く」という刺激的なものでした。このヘッドラインに対して日本外務省が抗議し、ウェブ版で「岸田首相は平和主義の国により積極的な役割を与えている」と修正されたエピソードは有名です。しかし、この修正劇そのものが、欧米が岸田政権の安保大転換をどれほどダイナミックに捉えていたかを物語っています。
米議会演説を担当した米メディアのベテラン議会記者は、中継解説で次のように語っています。「長年、日本の首相といえば、内政の都合で短期間で交代し、国際会議では居眠りをしているか無難な発言に終始するリーダーが多かった。だが岸田氏は違う。議場で『日本はすでに米国の肩を並べて国際秩序を背負う覚悟を決めた』と明言した。米国の孤立主義が高まる中、これほど心強い友人はいない」
SNSや海外掲示板(Redditなど)の反応を見ても、「日本の指導者がこれほど迅速にロシアへの制裁を科し、防衛予算を即決するとは思わなかった」「ドイツのショルツ政権が武器供与で優柔不断に陥っていたのと対照的だ」といった書き込みが数多く見られ、欧州市民の間でも「実行力のある日本の宰相」という認識が定着していました。